「江丹別地域の事業者が連携し、生産した産品を自分たちで集約・梱包し地域の路線バスに積み付けて輸送する」地域内輸送プロジェクトを始動します。

最終更新日:2023/05/18
画像はありません
2023年 5月 18日 15:00更新:記者会見写真を追加しました。 2023年 5月 12日 18:00更新:記者会見メンバーを変更しました。

PDFをダウンロード

2023年 4月 27日 道北集約発送・地域配送改善プロジェクト 代表 相本 大介 道北バス株式会社 代表取締役 松本 神一

「江丹別地域の事業者が連携し、生産した産品を自分たちで
集約・梱包し地域の路線バスに積み付けて輸送する」
地域内輸送プロジェクトを始動します。

旭川市内数社で構成する「道北集約出荷・地域配送改善プロジェクト(以下、PJT)」は旭川市江丹別町(以下、江丹別地域)と同市内中心部を結ぶ唯一のバス路線「36 番 江丹別線」を運行する道北バス株式会社(以下、道北バス)と連携し、江丹別地域で生産された国際線フ ァーストクラス機内食にも採用された「江丹別の青いチーズ(ブルーチーズ)」などの産品の江丹別地域内での集荷及び路線バスへの積み付けを生産事業者自らが行う貨客混載輸送にて出荷するプロジェクトを 5 月 17 日(水)から開始します。

※ 本件における「貨客混載」とは道路運送法第 82 条第 1 項に基づく少量貨物の運送を指します。

  • 地域課題 : 路線バスの存続→定期的な運賃収入増加により存続に寄与
  • 業界課題 : 2024 年問題(時間外労働規制)、輸送ドライバー不足
    →各社 2 時間 30 分かかっていた集荷時間を他業務へ振り向けることが可能
  • 環境課題 : CO2 削減→既存バス路線の活用により各社の集荷車両の CO2 が削減

プロジェクト初便概要(取材可能、詳細は後述)

場所、日時 : 2023 年 5 月 17 日 10:45~11:35 道北バス株式会社江丹別バス停前
輸送量、重量: バス輸送用ダンボール(100 サイズ)8箱、約 50 キロ
記者会見  : 伊勢 昇平(PJT メンバー、株式会社ブルーチーズドリーマー)
中田 幸治(道北バス株式会社 営業部部長)
→佐々木 求(道北バス株式会社 代表取締役社長)
河合 秀治(PJT 支援、セイノーホールディングス株式会社 執行役員 新スマート物流推進プロジェクト)

※ 同乗取材が可能です。同乗取材については後述の詳細をご確認ください。

本件に関するお問い合わせ
株式会社アーグ 旭川サテライト 道北集約発送・地域配送改善プロジェクト
s_asahikawa@mail.a-rg.co.jp


道北集約出荷・地域配送改善プロジェクトが目指すゴール

・独自の貨客混載輸送の検討と目的
現在、全国各地で貨客混載輸送が取り組まれておりますが、そのほとんどは「配達」を目的とした宅配事業者主体の取り組みとなっております。(実施地域が限定されることや誰でもが活用できないことなどの課題がありました。)本プロジェクトは、出荷に関係する全員に業務効率改善、コスト削減などのメリットがある仕組みと持続的な人流と物流のインフラがどうしたら作れるかを検討しておりました。
そこで、宅配事業者ではなく地元事業者が主体となって、「配達」ではなく「出荷」することにより次の3つの課題解決を目的としています。

  • 地域課題 : 路線バスの存続→定期的な運賃収入増加により存続に寄与
  • 業界課題 : 2024 年問題(時間外労働規制)、輸送ドライバー不足
    →各社 2 時間 30 分かかっていた集荷時間を他業務へ振り向けることが可能
  • 環境課題 : CO2 削減→既存バス路線の活用により各社の集荷車両の CO2 が削減

今後、この取り組みへの参加事業者の拡大や他地域への展開を目指します。

・安心、安全、簡単な仕組みの構築
貨客混載輸送を全国どこでも誰でも行える仕組みで実現することを目指し、業務フローだけではなく輸送管理システム構築や積載用のジグなど制作。
システムでは、荷物の管理や追跡を簡単に行える仕組みを新たに開発し、専用端末や専用アプリではなく、誰のスマホでも簡単に利用することが可能。
また、バスへの積載に使用する資材もどこでも入手が可能な市販品を活用し、足りないものは 3D プリンターを活用して作成。

・過去に同様の事例がない新たな取り組み
PJT で調査した範囲では本件と同様の貨客混載事例はなく、「宅配事業者への引き渡し」「取引先への納品」を目的とし、配送管理システムの構築、安全に輸送できる荷物であれば誰でも利用することが可能、「実証実験」ではなく定期的な輸送を前提とした本件は、 PJT では全国初の取り組みになると考えております。


・3つ課題「地域課題」「業界課題」「環境課題」への取り組み
地域課題:地域路線維持

荷物の輸送は貨客混載輸送の実現がゴールの一つだが、今回の取り組みをきっかけに地域でのバス活用を広げていく予定。
路線の存廃問題が起きてから考えるのではなく、そもそも存廃問題にならないために、貨客混載輸送は一つの手段で、バスを活用した新たなインフラ考案やス利用を前提とした観光プランの考案を進めていく予定。

業界課題:2024 年問題、輸送ドライバー不足

物流業界では 2024 年以降に約3割の荷物が輸送できなくなる可能性がある。
再配達問題は大きく取り上げられているが、集荷も課題の1つとなっている。
江丹別と旭川中心部は片道約 25km あり、集荷には、往復約 50km の走行と
現地の積み込みにより約2時間半の時間が必要となる。今回の貨客混載輸送ではこの時間を大幅に短縮することが可能となる。
荷物を出す側も工夫することで、この問題解決に取り組むことが可能となり、集約出荷や貨客混載輸送を活用する。

環境課題:CO2 削減

旭川中心部と江丹別の間には自家用車、バス、トラックが走行しております。
江丹別・旭川中心部間往復約 50km を 4t トラックで走行した場合、約 850g の CO2が排出されます(*1)。
本取り組みでは、旭川中心部と江丹別間を毎日走るバスで輸送することで、トラック走行による CO2 排出を削減することができます。
本取り組みでの削減量は微々たるものですが、このような取り組みを多く作ることでさらなる削減効果が期待できます。
*1:全国通運連盟 HP の CO2 排出量計算ページにて試算した数値

・物流事業者との協力体制
旭川地域での貨客混載輸送を実現するため、セイノーホールディングス株式会社 新スマ ート物流推進プロジェクトから物流業界の意見やサポートを得ながら、2022 年 6 月よりまずは出荷の集約化、出荷方法の見直しを実施、2022 年 10 月に集約出荷を開始したのちに貨客混載輸送を実現するための仕組み作りを開始。
なお、旭川中心部に到着した一部の荷物の受け取りなどは PJT より北海道西濃運輸株式会社へ委託。


・道北集約出荷・地域配送プロジェクトについて
 2021 年度旭川市産業振興課のイノベーション補助金制度を活用して、立ち上げた「地域共生型 EC プラットフォーム事業」の「梱包・出荷業務」に関して、梱包作業の効率化・平準化、集約化によるコスト削減などの課題解決も目的とし、地域企業が集まって立ち上げたプロジェクトです。
 2022 年 10 月に江丹別地域からの出荷の集約化を実現し、この発展形として今回の貨客混載輸送を開始することになった。

PJT 参加事業者(2023 年 4 月 1 日現在)

株式会社ブルーチーズドリーマー(チーズ製造、サウナ運営)
レストラン チライ(フランス料理レストラン)
株式会社アーグ(Web 開発、EC 運営、PJT 統括)
一般社団法人世界一の村(江丹別地域の街おこし)

PJT サポート

セイノーホールディングス株式会社 新スマート物流推進プロジェクト

・道北バス株式会社について
1944 年設立、旭川市に本社を置き、旭川市内・郊外線、都市間バスを運行。江丹別線は旭川駅前から江丹別までの片道約 25km を約1時間で結ぶ路線。
https://www.dohokubus.com/


・プロジェクト初便詳細(取材可能)

初回輸送日 : 2023 年 5 月 17 日(水)
輸送量、重量: バス輸送用ダンボール(100 サイズ)8箱、約 50 キロ
出荷産品  : 株式会社ブルーチーズドリーマー ブルーチーズ 約 500 個
レストラン チライ チーズケーキ 約 20 個
記者会見  : 江丹別バス停前 10:45~11:20 予定

伊勢 昇平(PJT メンバー、荷主代表、株式会社ブルーチーズドリーマー)
中田 幸治(道北バス株式会社 営業部部長)
→佐々木 求(道北バス株式会社 代表取締役社長)
河合 秀治
(PJT 支援、セイノーホールディングス株式会社 執行役員 新スマート物流推進プロジェクト)

積載    : 江丹別バス停 11:20~11:30 予定
出発    : 江丹別バス停 11:35 発
荷下ろし  : 道北バス株式会社2条通4丁目休憩所 12:45~13:00 予定
輸送荷物  : EC 販売商品(2 事業者分)の出荷物および旭川中心部店舗への納品物
※ 同乗取材が可能です。同乗取材をご希望の方は事前に下記の URL または QR コードからご登録ください。乗車は江丹別バス停からのみ可能です。

道北バス江丹別線 貨客混載輸送同乗取材登録フォーム
https://contents.net-no-eki.jp/2023-05-17-entryform/

・今後の予定
5/17 以降は EC 販売商品出荷として月2~3回を目安に定期的に輸送を実施。
本取り組みのさらなる活用を目指し検討中の輸送

江丹別発の旭川中心部取引先への納品物の輸送
旭川中心部発の江丹別向け納品物の輸送
江丹別以外の地域への展開
地域事業者と協力し貨客混載輸送を活用した新商品の開発

→旭川中心部に販売場所を設け、郊外店舗の弁当や惣菜などを輸送するなど
道北バス株式会社沿線での広域連携

本件に関するお問い合わせ
株式会社アーグ 旭川サテライト 道北集約発送・地域配送改善プロジェクト
s_asahikawa@mail.a-rg.co.jp


【参考画像】
・輸送商品

・バス、積載写真

・3D プリンターで作成したオリジナルジグ

・独自の梱包支援、輸送管理システム


参考画像ダウンロードZIP形式 約20MB